昨今はネットの個人放送・生配信者がインフルエンサーとして様々な場面で活躍し、それに伴い配信サイトなども増えて久しいですが、Youtube、ニコニコ生放送、ツイキャス、OPENREC、Mildom、Twitch、Mirrativなどの、多岐に渡る配信サイトが生まれました。

ゲーム配信、弾き語り、雑談などを行って登録者やフォロワーを増やし、大金を稼いだり、果てには地上波デビューやライブ、ドラマ出演など、昨今の動画・生配信サイトでの人気配信者の地位は数年前よりも大幅に上がっています。
中には自分で生配信をしてみたい、という方は多いでしょう。
しかし、人気配信者が高級賃貸の防音室で大声で絶叫を上げたりはしゃいだりしている姿を見ると、普通の賃貸住宅に住んでいては同じように騒いだりすることは絶対に無理だなとわかります。
では、賃貸住宅に借りながら周囲に迷惑をかけずに配信するにはどうすればよいでしょうか?
ここでは生配信をするために必要なお部屋選びの条件や防音対策をご紹介します。

今あるお部屋で防音対策できるグッズの数々

・防音シート+遮音シート

遮音シートは音を遮断し反射させるシートです、これ単体で使用してそれ程の防音効果は出せません、
なぜなら遮音シートは発生した音を遮断、反射するだけのものなので、室内から出た音が反射し、窓や隙間などの別の方向から音が漏れ出て行くだけだからです。
しかし、防音シートと併用する事で効果を上げる事ができます。


防音シートは音を吸収す効果を持つシートです。
防音シートだけでは吸収しきれなかった分の音が壁を伝って抜けていくので、ある程度の防音効果はありますが完璧というわけではありません。
そこで

①防音シート
②遮音シート

という順番で張り付ける事で、室内で出た音を防音シートが吸収→吸収しきれなかった音を遮音シートが跳ね返す→戻ってきた音を防音シートが吸収するという形で効果的な防音をする事ができます。


・厚手のカーテンや防音用カーテン、カーテンコーズ・パーテン等

防音用に販売されているカーテンもあります。
吸音材や遮音材が層のように重ねられているので、配信するPCまわりを囲むように設置する事で声音を軽減する事が可能です。

・静音マット・カーペットを敷く

壁につけるシートだけではなく床に遮音シートを敷き、その上に吸音材入りのマットを敷くことで音(音楽や声)の響きを軽減する事ができます。
普通の防音マットを敷くだけだと足音などの対策にしかならないため、配信等の声の対策の場合は壁と同じように遮音シートを引くとより効果的な防音が可能となります。

・リフレクションフィルター

リフレクションフィルターとはマイクを囲うように置く事で音声を吹き込んだ際に起こる室内の反響音や反射音の混入を抑え、より良い収録環境を整えるための機材です。
反射音やノイズを減衰してくれるため、自身の声がクリアに収録できるようになります。
また、マイクへ吹き込まれる音が良くなるだけでなく、発した声を吸音材の付いたフィルターが吸収・遮音してくれるので、声音の拡散を防ぎ、防音の効果にも役立ってくれます。

・組み立て式の室内個室

防音設備で囲われた物理的な密室空間なので、最も防音効果が高いです。

これにプラスする形で他の防音グッズを併用する事で隣室への協力な音漏れの防止とする事ができます。
ただし数万~数十万と価格はピンキリ、性能もピンキリとなります、
広さや材質などをよく見て購入しましょう。

メリットとしては防音対策として最も適している上に、不足があれば上から色々な防音グッズを重ね貼りすることで、自分の気が済むまでこだわった防音を施す事が可能となる事です。

しかし気密性が高い個室に籠って配信をする関係上、人の熱、PCの排熱でどんどん温度が上がって中が熱がこもり、購入した個室スペースの材質や広さ、住まいの条件によっては長時間の配信には向かない場合があります。

・良いマイクを使う

良いマイクを使う事で声を張り上げなくてもしっかりと音声を拾えるようになります。
安物のマイクで大きい声を出しがちになってしまう人は集音性の高い高価なマイクに変えてみるのも一つの手でしょう。

・防音マイクを使う

口に密着させて使うタイプの防音カバーのついたマイクを使用するとかなりの音を半減する事ができます。
少し音がこもるので歌などではなくゲーム配信や雑談向けに使用すると良いかもしれません。

賃貸物件そのものを変える

木造のアパートや古い物件に住んでいてはどんなに防音対策を施しても限界があります。
あまりに周囲からのクレームが酷い場合警察を呼ばれたり、更新不可になったり強制退去となります。
昨今は隣室の騒音を苦にした事件等も起こっているので、焼石に水の防音対策を施して騒ぎ過ぎたあまり何か犯罪に巻き込まれてしまっては元も子もありません。
最初から防音としての使用に向いている物件についてご紹介します。

鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の物件を探す

防音性の高い物件として有名なのが、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。

鉄筋コンクリート造とは 鉄筋で補強されたコンクリート等で柱や梁が作られた物件で、強靭性と防音性に優れています。建物の基礎となるコンクリートの柱などの中に小さなジャングルジムが埋まっているようなイメージです。

鉄骨鉄筋コンクリート造とは 上記で上げた建物の基礎となるコンクリートの柱などの中に小さなジャングルジムが埋まっていて、さらに中心に太い鉄骨が通っているような形になります。より強靭性や防音性が上がります。

これらの物件に上記で上げた防音グッズ等で対策を施せば高確率で苦情等を減らせるでしょう。

最上階・角部屋を探す

例えば3階建ての建物で202号室を借りた場合上下左右の4部屋と接する事になりますが、最上階の角部屋を借りた場合は横と下の部屋にしか直接接していません。
自分の発する音は二部屋にしかダイレクトに響きませんし、隣室が無い方に向かって配信する事でより音を軽減させることができます。

また2K 2DK 2LDKの物件で下のような間取りであれば、隣室と接していない部屋を防音室として改造して配信部屋にする事で苦情を軽減する事が可能となります。

楽器可物件・防音室付きを探す

音大生やアーティスト向けに募集をされている楽器可物件や防音室付き物件であれば配信等も問題なく行えます。楽器演奏に耐えうる防音用の特別な素材で壁や床が作られており、窓・壁・床・サッシが二重三重であったり、防音壁・防音扉で部屋が構成されており、その分物件の立地や部屋の広さに対して賃料は割高になります。

防音室付き物件では大音量で音楽を聴いたり映画を鑑賞したり自宅でカラオケしたりも可能となります。

とにかく周囲に迷惑をかけない事を最優先に

生配信だけでなく、友人と通話しながらのゲームなどをするとヘッドフォンやイヤホンをつけて行う事が多いため、自分の声の大きさがわからなくなり、ついつい大きな声を出しがちです。
弊社でも古い木造アパートで深夜に通話をしながらゲームをしているのか大きい声を上げている人がいるとの苦情を周囲5部屋から頂いた方がいましたが警察を呼ばれたりしつつも改善が無くご退去頂く形になった方がいます。賃貸住宅は共同住宅なので他の部屋の生活を邪魔することの無いように。
大きな声を上げるような行為を行いたいのであるならば、木造以外の防音構造に向いた物件を賃貸し、きちんとした対策を行ってから配信等を行いましょう。