かつてバブル期に栄えたスキー場付近の豪華リゾートマンション、
すぐ近くのスキー場で何時でも滑る事が可能かつ、マンション自体に屋内温水プール、大浴場、ジム、カラオケ等が付いて、土日には共用エリアの売店が開き、遠くに買い出ししなくても部屋で食事をとれる。
最高の別荘としてバブル時代には3000万円~5000万円で売り出された物件が現在では10万~100万程度で売り出されています。
10万円で買えるなら私も買ってみようかななどと思ってはいけません、そこには大きな落とし穴があるのです。

購入してわかる莫大な維持・管理のための費用

多くの人が別荘に憧れ、購入してからその出費の多さに驚きます。
仮に1R、30㎡の一室を10万円~100万円で購入したとしても、
年に数回行く別荘のために月々3~4万の修繕積立金及び管理費、固定資産税がかかるため、
年間出費は50万円以上となる場合もあります。
管理費、修繕積立金とは別に大浴場の温泉運営費を別途で徴収している所もあります。
また、設備が豪華であるほど維持費や管理費も高くなります。

別荘として使う以上は車や電車で向かうための交通費、ガソリン代、高速道路代がかかります。
さらに、車が必須なので駐車場代がかかる場合があります。(施設によっては無料の場合もあります)

また、熱海のリゾートマンションの場合、別荘税が毎年数万円かかります、これは専有面積によって金額が変わるので年間2万~5万程度、場合によってはさらにかかります。

家財・火災保険に入る必要があるため、年間1万~2万円
定期的に別荘に行く場合は光熱費を契約し続ける必要があるので、使用してない時でも基本使用料がかかってきます。

今では少し調べるとこういった物件を購入する危険性やデメリットを伝える情報が沢山出てくるので、安易に購入して、後から売却しようとしても売れずに、大して使用しない別荘の維持費がずるずると掛かり続ける事になります。

費用のまとめ

管理費3~4万年間36万~48万
温泉運営費(マンションによる)年間12万~24万
別荘税(地域による)年間2~5万
家財保険年間1~2万
交通費(東京~電車)片道:10,000円(往復2万)
交通費(車)片道:高速9000円 ガソリン5000円
家財保険1万~2万円
光熱費(水道・電気・ガス)基本使用料合計1500円程度(月)年間約18000円

年間4回遊びに行くとして往復8万円、温泉運営費無し、別荘税無し、で計算しても、
やはり年間50万円以上、多く見積もれば70万円程度、別荘のために支払う事になります。

激安リゾートマンションに住む場合の問題点

上記で伝えた通り別荘として購入して後悔するのであれば、逆に完全な住居として使用するのであれば大きなメリットがありそうに感じます。
現在は賃貸に住んでいてテレワーク中の人が購入して住むには最高なのではないかと思うかもしれません。

しかし激安リゾートマンションには激安なワケが当然存在します。

・前の入居者が管理費、修繕積立金を滞納しており、売却価格とは別に、滞納分の管理費数百万円を支払わなければいけない場合

・他の入居者から管理費がきちんと徴収できておらず(もしくは入居者が減りすぎて)、管理組合が機能しておらず、設備の修繕費用などが全く賄えていない場合(大浴場やジムで設備が壊れても直せないもしくは今いる入居者から直接徴収という形になる場合もあります)

・居住を前提にしていないためバルコニーが無い物件が多く、洗濯物を干せない
洗濯機置き場がない、共用のランドリースペースなどで有料で洗濯する必要がある。

・居住を前提としていないためキッチンが非常に狭い場合が多く、きちんとした料理を作るのには向いていない。

・リゾート施設なので景観優先の立地が多く、商店や公共サービスまでの距離が遠い場合が多い
(どこに行くにも車前提の立地が多い)

普通に住むにはかなりの難点がありますが、上記のデメリットをが許容できる、もしくは安いけれども管理組合が十分機能しているのであれば、ジム代と風呂代を節約できて自身の部屋を所有できるので良いかもしれません。

激安リゾートマンションを購入するメリット

一方で、コロナ過でテレワークになり、持ち家を売ってリゾートマンションに移った人もいるそうですが、
その場合は家賃も無く、毎月数万の維持費で風呂代もジム代もプール代も賄えるためかなり便利との話でした。

また家族が4,5人程度いる場合、友人と大勢で定期的に宿泊する場合なども、人数や宿泊日数によって費用が変わらないのがホテルには無い強みとなります。

後悔しても売れない事が多い

リゾートマンションを買ったのはいいものの、やっぱり別荘なんて滅多に使わない、自宅から距離もあるし、周辺の利便性は悪いし、維持費がかかるし手放したい。
もし、そういった後悔が出てきたとしても
気軽に手放せないからこそ、購入時の激安価格なのです。

貴方が購入した時におそらく売り主さんは「よくやく手放せた」と思ったはずです。
購入した貴方自身が同じ思いをしないように、本当に購入する必要があるのか、本当に別荘を利用するのかを考えることが大切です。


休日や連休の好きな時に自宅とは違う所でゆっくり過ごせるというロマン溢れるメリットがありますが、
それは年間50万も維持費をかけても問題ないものか、よく考える事が必要です。
例えば3~5万円のホテルに数か月おきに宿泊するほうが満足度が高い可能性があります。
それでも金銭的に余裕がある、別荘がどうしても欲しい、管理組合の建物の維持管理がきちんとしているので特に将来において心配がないのであれば、思い切って買ってみるのもいいかもしれません。

まとめ

リゾート地の激安マンションについてご紹介しました。
バブルが弾けて当時の価格から10分の1もしくは100分の1まで値段の落ちたマンションの数々を『お買い得『と思うか、買ってから『負動産』となるかは、購入する物件と購入する人次第になります。
維持管理がきちんとされているか、将来にわたって建物に不安はないか、そして無用の長物にならないかをしっかりと考えてから、購入するかどうか決めましょう。