時間とデータと材料ががあれば、自動でどんな物でも作れてしまう3Dプリンター
開発の黎明期には手のひらサイズの物しか作れませんでしたが、
技術力は発展し、ついに家を作るまでになりました。
今、3Dプリンターで作る戸建て住宅が話題です。
3Dプリンターで家を作るメリット
現状の3Dプリンター住宅はコンクリートなどの単一素材によって丸ごと一つの建物を印刷するという形での作成になります。
3Dプリンターで家を作るメリットは大きくわけて4つです
・単一素材で作れるので資材代を抑える事ができる。(コンクリートを使う事が一般的なため、木材と違い安定供給しやすく景気によって価格が左右されづらい)
・家を建てるもの機械なので人件費も最低限で抑える事ができる。
・圧倒的短時間で作る事ができる(ものによっては1日かからずに工事が完了するそうです)
・上記の理由により価格が抑えられる
というメリットがあります。
また、50平米の二人入居の平屋は48時間で作成できるそうです。
海外では2階建て住宅やアパートも3Dプリンターで作れら始めているようです。
3Dプリンターで家を作るデメリット
では、3Dプリンターで家を作る際のデメリットは何かあるのでしょうか?
・3Dプリンターだけでは現行の建築基準法を満たした家を作れないため、
3Dプリンター+鉄筋や鉄骨を入れる人による工事が必要になる(それでも価格は通常よりもぐっと抑えられる)
・温かみのある木造の住宅は作れないため、どうしても固い石のようなイメージの家になってしまう。
・始まったばかりの技術なので耐用年数は実数値ではなく推測値になってしまう。
実際に過ごして年数が経過するまで本当に耐用年数や不具合、問題点などは判明しない。
・工事の際に巨大な3Dプリンターを置く必要があるので住宅が密集している場所の工事は難しい。
3Dプリンターを使用した建設業は今後はどうなっていくのか
3Dプリンターの住宅に関して日本でいち早く参入したのが
セレンディクス株式会社です。
既に何棟かの3Dプリント住宅を販売しており、今後もより複雑な間取りの住宅をプリントできるよう開発を進めているとの事です。
大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設などの大手建設業者でも3Dプリンターの研究が盛んに進められています。
有名な建設業者名+3Dプリンターで検索すればどこの建設業でも何らかの研究や技術開発、施策が行われているのが確認できると思います。
大林組は国内初の建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得した構造形式を用いた「(仮称)3Dプリンター実証棟」を作成しました。
清水建設も駐車場屋根構造物を3Dプリンターで作成しています。
今後技術が発展すれば、立派な家が自動車と同じ程度の価格で買えるようになるかもしれません。
3Dプリンターの現在の需要とこれから
上記で紹介したセレンディクス株式会社の住宅は既に問い合わせが6000件以上、購入希望が1000件以上来ているとの事です。
特に60代以上の方からの問い合わせが多く、高齢になり賃貸が借りづらくなってしまった方や、マイホームが古くなったが普通に立て直す余力の無い高齢者などが元々の土地に新しい3Dプリンターの家を建てるようです。
これから2階建ての大きな間取り、複雑な間取りの家が作れるようになればファミリー層、独身世帯、高齢者等、多くの人がマイホームを持てるようになるかもしれません。